約 1,714,145 件
https://w.atwiki.jp/monosepia/pages/5544.html
※ この項は、世界の終わりと終末戦争で。 .
https://w.atwiki.jp/utauuuta/pages/1691.html
はるのおわりに【登録タグ は 曲 虚空 雪歌ユフ】 作詞:虚空 作曲:虚空 マスタリング:noo 唄:雪歌ユフ 曲紹介 私のなかのきみにさえ隠したおはなし、 歌詞 (動画歌詞より転載) 夕の隙間で 背中あわせ 窓際の赤にとけていく なんにも言わない ふたりの世界 夏の匂いも ここには届かない 春の終わりに 隠した言葉を 見つけたはずなのに 夜になってしまう 眠たくなるまえに 痛くなるまえに 言えばよかったのにな もう言えそうにないな 少しずつ溶ける 滲んで混ざってく 真っ黒な言葉は 影になって残る 夜になるまえに いなくなるまえに 聞こえるのもふたつの 吐息と心音 春の終わりに 隠した思い出 胸の傷跡は まだ少し痛むな コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yamiryuukisi/pages/34.html
商品情報 タイトル アサシン クリード ブラザーフッド ハード PS3 Xbox360 発売日 2010年12月9日 ジャンル アクション プレイ人数 1人(オンライン8人) CERO年齢区分 Z 18歳以上対象 販売 ユービーアイソフト
https://w.atwiki.jp/lastbiblespecial/pages/146.html
職業 アサシン スーフィー ムジタヒッド 名前 画像 レベル Lv1 Lv1 Lv1 経験値 タイプA タイプB タイプC 最大HP 32 56 38 最大MP 50 67 72 パラメ|タ| たいりょく 5 17 8 ちりょく 8 25 30 ちから 30 13 7 すばやさ 32 11 17 うん 7 16 20 攻撃回数 2回 1回 1回 命中率 100% 90% 80% 相性 火炎 0% 0% 0% 冷気 0% 0% 0% 電撃 0% 0% 0% 衝撃 0% 0% 0% 眠り、マヒ 0% 50% 50% 魅了、混乱 0% 25% 50% 封魔、死 0% 25% 50% 能力 0% 50% 50% 魔法 初期 イルク ランカ ダムド 習得 その1 ノエルエム ランカム トラポート その2 ランカイン その3 装備 武器 斧 × × × 爪 ◯ ◯ × 剣 ◯ ◯ ◯ 槍 × × × 弓 × × × 杖 × ◯ ◯ 防具 アーマ × × × メイル ◯ × × 服 × ◯ ◯ 盾 × × × アクセサリー ◯ ◯ ◯ 初期装備 ぶき よろい たて 転職 レベル 職業 Lv20 ハイランダー Lv20 けんじゃ Lv20 れんきんじゅつし
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/153.html
「おお、クリスティーヌ。 我が歌姫よ。 共に歩もう。 共に歌おう。 愛しき姫君よ」 貴方は私の『ファントム』ではないけれど。 この醜い願いを叶えるためならば。 私はあなたの『クリスティーヌ』になりましょう。 【クラス】アサシン 【真名】ファントム・オブ・ジ・オペラ 【出典】Fate/Grand Order 【性別】男 【属性】混沌・悪 【パラメーター】 筋力:B 耐久:C 敏捷:A 魔力:D 幸運:D 宝具:B 【クラススキル】 気配遮断:A 自身の気配を消すスキル。隠密行動に適している。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 魅惑の美声:B 人を惹き付ける天性の美声。魅了系スキル。 異性に対して魅了の魔術的効果として働くが、対魔力スキルで回避可能。対魔力を持っていなくても、抵抗する意思を持っていればある程度は軽減できる。 無辜の怪物:D 生前の行いからのイメージによって、後に過去や在り方を捻じ曲げられ能力・姿が変貌してしまった怪物。本人の意思に関係なく、風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を指す。このスキルを外すことは出来ない。 誹謗中傷、あるいは流言飛語からくる、有名人が背負う呪いのようなもの。 小説『オペラ座の怪人』のモデルである彼は作品の影響を受けて素顔と両腕が異形と化している。 精神汚染:A 精神が錯乱しているため、他の精神干渉系魔術をシャットアウトできる。ただし、同ランクの精神汚染がされていない人物とは意思疎通ができない。 【宝具】 『地獄にこそ響け我が愛の唄(クリスティーヌ・クリスティーヌ)』 ランク:B+ 種別:対軍宝具 レンジ:1~50 最大補足:200人 かつての犠牲者たちの死骸を組み合わせて作成された、パイプオルガンの如き形状の巨大演奏装置。 【weapon】 かぎ爪と化した両腕 【人物背景】 ファントム・オブ・ジ・オペラ。十九世紀を舞台とした小説『オペラ座の怪人』に登場した怪人の、恐らくはそのモデルとなった人物。 とあるオペラ座地下の広大な地下迷宮に棲まい、オペラ座の寄宿生でコーラス・ガールを務めていたクリスティーヌという女性に恋をしたことから彼女を姿を隠して指導。 同時にオペラ座関係者への脅迫や実力行使により彼女を歌姫へと導くも、恋敵の出現や自身への信頼を揺らがせ始めたクリスティーヌの様子から暴走し始め、遂には殺人にまで手を染めた。 【サーヴァントとしての願い】 クリスティーヌの幸福 【マスター】 胡月レオナ@金田一少年の事件簿 【マスターとしての願い】 霧生鋭治を蘇生させ永遠に幸せに暮らす 【能力・技能】 卓越した演技力 【人物背景】 劇団「遊民蜂起」の団員にして舞台女優。20歳。 優れた容姿と高い演技力を兼ね備え、劇団内外にファンが多い。 合宿所の火事に巻き込まれた事から火がトラウマになっている。 この火事で顔にやけどを負いながら自分を救助してくれた霧生鋭治と恋仲となり駆け落ちするも、ある日霧生は行方をくらまし、自身は同じ劇団の三人の役者によって連れ戻されてしまう。 ひょんなことから火事の原因がこの三人の役者であり、彼らに自首を進めていた霧生は彼らによって殺害されたことを知ったレオナは復讐を決意。 不可能犯罪を計画・実行し、彼らを殺害した。 【方針】 聖杯を獲得する。
https://w.atwiki.jp/tamagrail/pages/46.html
◆◇◆◇ 祭囃子の唄が、聞える。 和太鼓の音色が、何処かで轟く。 篠笛の調べが、何処かで囁く。 かぁん。 拍子木の聲が、威勢良く響く。 そして、掻き鳴らされる三味線。 祝祭。祝宴。 燃え上がる焔のように。 じわり、じわり、と。 場の熱気は、みるみると昂ぶっていく。 神楽を思わせる、舞台の壇上。 冬の景色とは不釣り合いの活気。 祭りの喧騒。祀られる雅楽。 陽気で、賑やかで。 大団円のように、華やかで。 それ故に眩くて、じっと見惚れてしまう。 はっ、はっ、はっ、ほっ、ほっ―――。 誰かが、楽器を奏で。 はっ、はっ、はっ、ほっ、ほっ―――。 誰かが、踊っている。 はっ、はっ、はっ、ほっ、ほっ―――。 沢山の人達が、舞っている。 皆の履く下駄の歯が、床を踏み鳴らし。 躍動するように、音色を奏でる。 木製の律動が、反響する。 舞踏(タップ)。舞踏(タップ)―――。 所狭しの、軽快な舞踏(タップダンス)。 木の音色がかんかんと、小気味良く鳴り響く。 和の旋律には、不釣り合いな筈なのに。 笛の音や太鼓の音と絡み合い、共鳴していく。 いにしえの音色と、電子の旋律も。 不思議なほどに、親和していく。 賑やかな祭りを見つめるのは。 観客として其処に居る、自分だけ。 まるで映画館で独り、ぽつんと座り込むように。 現実と虚構のはざまで、眼の前の景色に浸り続けている。 はっ、はっ、はっ、ほっ、ほっ―――。 誰もが、踊っている。 はっ、はっ、はっ、ほっ、ほっ―――。 にこやかに、楽しげに、舞っている。 はっ、はっ、はっ、ほっ、ほっ―――。 御祭は、きらびやかに続く。 ◆ ――――そして。 ――――視界は、急速に。 ――――映画の場面が、暗転するかのように。 ――――“現実”へと、引き戻される。 ◆ 白い吐息。寒々しい風。 空の静寂を思わせる、青ばんだ視界の中。 現実と虚構。真実と空想。 その境目が曖昧になったように、錯覚する。 日没を迎えた路地裏。 立ちはだかるのは、“人ならざる何か”の群れ。 黒い影のような姿で、ゆらり、ゆらりと。 皆、こちらの命を奪おうとして。 その身を揺らしながら、機を伺ってくる。 “私”は―――“凛世”は。 夢や幻のような、そんな光景を。 ただ呆然と、見つめていた。 脳裏に、知識が流れ込んでいた。 見知らぬ情報。知りもしない“戦争”。 まるで以前から憶えていたかのように。 その知識は、眼前の状況へと結び付く。 後戻りは出来ない。引き返すことは適わない。 そう告げるかのように。 焼き付けられた記憶は、“私”を急かす。 動揺する“私”を庇うように。 “その御方”は、眼の前に立っていた。 金色の髪と、閉ざされた両瞼。 その手に握り締めた杖を、構えながら。 “人ならざる何か”達と、対峙していた。 分かっていた。理解していた。 “その御方”が、何者であるのか。 何故、其処に佇んでいるのか。 何故、護ってくれるのか。 御伽噺のような現実に対する答えを、“私”はとうに識っていた。 そして、刹那の瞬間。 ――――ひゅん。 風を切る音。 ――――ひゅん。 風を裂く音。 二度に渡り、響く。 それは、余りにも疾く。 須臾の狭間。稲妻のように迸り。 次に、瞬きをしたとき。 人ならざる黒い影は、二体。 首元を斬られて、崩れ落ちていた。 ―――銀の刃が、光っていた。 “仕込杖”から、刀を抜き放ち。 居合を、繰り出したのだ。 “私”は、そんな光景を。 ただ唖然としながら、見つめる他無かった。 「お嬢さん」 やがて、“その御方”は。 低く、嗄れた声で。 “私”に向けて、静かに囁いた。 「―――逃げな」 その一言は、“私”の意識を引き戻した。 自分が今、命の危機に晒されている。 そんな実感のない事実を、否応無しに突き付けられた。 ですが、貴方さまは――――そう言おうとして。 けれど“その御方”は。 無言の背中で。仕込杖を握る両腕で。 “私”に対して、言葉もなく語り掛ける。 ――――行け、と。 それだけの、単純な訴え。 “私”は、微かに躊躇って。 その矢先に。 “その御方”は、再び。 銀色の刃を、閃光の如く抜き放ち。 それを合図にするように。 “私”は、その場から無我夢中に駆け出した。 ◆◇◆◇ 遠い記憶の、幼い頃。 まだほんの小さな子供だった頃。 “姉さま”と二人で、こんな景色を見つめた。 肌寒い街の情景。顔を撫でる冷たい風。 薄暗く沈む、日没の空。 しんしんと降り積もった、白染めの足元。 お正月。姉さまと一緒に、初詣へと向かう道。 そんな記憶を、ふいに思い出した。 息を切らして、“私”は奔る。 艶やかな模様の着物を揺らし。 鼻緒が切れそうな勢いで、下駄を鳴らし。 人気の無い路地を、必死に往く。 どん、どん、どん、どどん――――。 どん、どん、どん、どどん――――。 祭囃子の太鼓が、脳裏で木霊する。 はっ、はっ、はっ、ほっ――――。 はっ、はっ、はっ、ほっ――――。 舞踏の音色が、鮮明に反響される。 静寂の冬風が吹く、路地の中で。 あの喧騒が、幾度と無く心に浮かぶ。 思えば、初詣の日。 神社の境内も、酷く賑やかで。 そして―――人混みの中で。 姉さまと、ふいに逸れてしまって。 こんなふうに、“私”は駆け回っていた。 今にも泣き出しそうになりながら。 ほんの少し前まで握っていた、姉さまの暖かな手を探していた。 どん、どん、どん、どどん――――。 どん、どん、どん、どどん――――。 “私”の小さな孤独と恐怖をよそに。 はっ、はっ、はっ、ほっ――――。 はっ、はっ、はっ、ほっ――――。 すれ違う人々は、年明けに賑わいでいた。 あの時と、同じように。 “私”は―――“杜野凛世”は、迷い子だった。 聖杯戦争。異界の東京。 令呪。英霊。奇跡の願望器。 見知らぬ記憶。見知らぬ世界。 見知らぬ日常―――前奏。 奇跡に求めるものは、何もない。 “私”が欲しいのは、奇跡ではなくて。 ――――あいたい。 掛け替えのない青春を分かち合う、大切な仲間達に。 “私”を見つけてくれた、大切なひとに。 また、触れたい。また、会いたい。 この手を握ってくれた、慈しい温もりに。 ただ、それだけ。 そんなささやかな願い。 けれど。“私”には、それで十分だった。 だから―――“私”は。 この世界に、迷う。 手を握ってくれる人は、いない。 あの初詣の境内のように。 必死に、必死に、彷徨い続ける。 あの時のように、“姉さま”は戻ってきてくれない。 いま。 “私”のそばに、いてくれるのは。 開かぬ瞼を持つ、“あの御方”だけ。 あの路地裏に誘われて。 あの“人ならざる影”に襲われた“私”の前に。 彼は、突如として姿を現した。 ――――きっと、無事だ。 ――――何事もなく、切り抜けている。 何故だか、そんな確信を抱いていて。 路地を抜けて、“私”はふいに立ち止まる。 そして、先程まで奔っていた道を、振り返る。 静寂。閑靜。沈黙。 何もなく。何も聞えず。 だと言うのに、脳裏の喧騒は。 変わることなく、木霊する。 あの壇上で、御祭は賑わい続ける。 宴も、たけなわに―――――。 ◆◇◆◇ とん、とん、とん。 刀を仕込んだ杖を、幾度も軽く振る。 地面を叩き、反応を確かめる。 戻ってくる返事は、何ひとつない。 そのまま杖を真正面に伸ばし、辺りを探る。 触れるものは、何ひとつない。 周囲の敵は、全て斬り倒し――――とん。 杖の先端が、何かに触れた。 金色の髪を持つ“盲目の剣客”は、思わず身構える。 その仕込杖をいつでも抜ける体勢を取り。 眉間に皺を寄せ。殺気を、解き放ち。 そして、沈黙が続く。 暫しの静寂の後。 剣客は、恐る恐ると構えを解き。 再び杖を、前方へと伸ばした。 とん。先端が、やはり何かに触れる。 とん、とん、とん。 警戒をしながら、杖でそれを何度も突く。 何とも云えぬ無言のひと時。 やがて剣客は、口を開く。 「ただの壁じゃねえか」 そうぼやいて、思わず苦笑いを浮かべた。 おそるおそる。 おっかなびっくり。 そんな態度を取った己が、酷く間抜けに感じる。 ゆらり、ゆらりと。 剣客は、彷徨う幽鬼の如く。 その場から、ゆっくりと歩き出す。 静寂の狭間。 何処からか、喧騒が聞こえる。 どん、どん、どん、どどん――――。 どん、どん、どん、どどん――――。 祭囃子の太鼓が、脳裏で木霊する。 はっ、はっ、はっ、ほっ――――。 はっ、はっ、はっ、ほっ――――。 舞踏の音色が、鮮明に反響される。 盲目の剣客は、その喧騒の正体が何なのか。 言葉もなく、考え込んでから。 やがて、何かに思い至ったように、にやっと笑みを浮かべた。 ――――なんでえ、あの宿場の祭りか。 きっと“あの祭り”は、無事に終わったことだろう。 あの町のやくざ共は、己が斬り捨てたのだから。 宴もたけなわ。 祭もたけなわ。 喧嘩旅に、“座頭市”が往く。 【クラス】 アサシン 【真名】 座頭市@座頭市(北野武版) 【属性】 中立・中庸 【パラメーター】 筋力:B 耐久:D 敏捷:C++ 魔力:E 幸運:C 宝具:E 【クラススキル】 気配遮断(偽):C+ 明鏡止水の域に迫る無想の剣技。 自身の太刀筋が見切られにくくなる他、『直感』など相手の危機察知系スキルの効果を半減させる。 ただしサーヴァントとしての気配遮断能力は「多少察知されにくくなる」程度に留まる。 【保有スキル】 盲の心眼:B+ 音。匂い。気配。殺気。目は開かずとも、彼は世界を感じている。 研ぎ澄まされた感覚による察知能力、そして戦闘技術。 自身に迫る危機や殺意、状況を敏感に感じ取り、その場で残された活路を瞬時に導き出す。 風切りの剣閃:A 盲目の侠客”を伝説足らしめた高速の剣技。 鞘からの抜刀と共に敵を斬る“居合”を繰り出す際、高い確率で相手の先手を取れる。 更に先手を取った場合、クリティカルダメージを確定で叩き出す。 無明の剣鬼:B 自身の剣技による攻撃判定にプラス補正が付与され、相手の攻撃に対して打ち勝ちやすくなる。 更に自身と対峙した相手に一定確率で『威圧』のバッドステータスを与え、相手の攻撃の命中率とダメージを低下させる。 北ノ蒼:A++ 彼を取り巻く“死と暴力”は、“蒼色”に染まっていた。 自身が参加する戦闘において、戦場にいる全参加者の不死性を一時的に消失させる。 四肢の欠損をも治癒する再生能力も、死という概念そのものへの耐性も、彼が戦闘に加わっている場面においては一切の効果を発揮しない。 故に、彼の立つ戦場では全ての攻撃が“致死の暴力”と化す。 アサシンが離脱するか戦闘が終了した瞬間に効果は解除される。 【宝具】 『照壇(Showdown)』 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:1\~10 最大捕捉:10 「“めくら”の方が人の気持ちが分かるんだよ」 盲目の剣客であるアサシンはあらゆる存在を“感じ取り”、敵と見做した者達を全て斬り捨ててきた。 敵や飛び道具等を問わず、レンジ内に侵入した存在から向けられた“殺意”と“敵意”を完全察知する宝具。 「気配遮断」を始めとする隠密行動系のスキルや宝具をランクに関わらず無視し、自身に迫る攻撃や殺気を確実に捕捉してみせる。 『舞祭(Festivo)』 ランク:E 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 「幾ら目ン玉ひん剥いても、見えねえもんは見えねえんだけどなぁ」 盲目の剣客、座頭市の禁忌―――すなわち“開眼”。 両眼を開いている間、自身の与ダメージが倍増する。 更に全攻撃に視覚遮断のバッドステータスが付与され、彼の振るう刃に斬られた者は戦闘終了時まで視覚を奪われる。 ただし発動中は「北ノ蒼」を除く全スキルが最低ランクにまで低下する。 座頭市という英霊の根幹たらしめる神話性、即ち“盲人であること”を自ら棄てる宝具であるが故に、効果以上にデメリットが目立つ。 因みに作中終盤において座頭市は「おめえ眼が見えてんのか?」「そうだよ」等のやり取りをするものの、ラストでは石ころに躓いて「幾ら目ンひん剥いても、見えねえもんは見えねえんだけどなぁ……」とぼやく。 つまるところ、実際彼に視力があるのか否かは物語では曖昧に濁されている。 とはいえサーヴァントとしての座頭市は、この宝具を発動しない限りは“視力を失った状態”として扱われる。 【Weapon】 仕込刀 【人物背景】 流れ者として各地を彷徨う盲目の剣客。 金髪という異様な風貌を持ち、その素性は一切語られない。 ただ分かるのは、彼は居合の達人であること。 その超人的な剣技によって、悪辣なやくざ達と対峙することのみである。 映画本編においては“祭り”を目前にした宿場町へと流れ着き、町を牛耳る悪辣なやくざ・銀蔵一家との争いに身を投じることになる。 【サーヴァントとしての願い】 知らねぇよ。んなもん。 【マスター】 杜野 凛世@アイドルマスター シャイニーカラーズ 【マスターとしての願い】 皆に、あいたい。 【能力・技能】 ボーカルやダンスなど、アイドルとして一定の技術を積んでいる。 また由緒ある呉服屋の娘ということもあり芸道全般に精通している。 【人物背景】 283プロダクションに所属する大和撫子系アイドル。『放課後クライマックスガールズ』に所属。 常に控えめで礼儀正しく、良家の子女としての確かな佇まいを持つ。一方で少女漫画を好むという意外な趣味があり、またメンバーとの交流ではノリの良い一面を見せることも。自身をスカウトしたプロデューサーに対して一途な想いを抱き続けている。 【方針】 生きて帰りたい。
https://w.atwiki.jp/hebi_dentaku/pages/62.html
名前 攻撃力 消費EN 効果 定価 入手場所 初期装備可能金額 アサシンピアス 7 2 同じ戦闘で2回まで使用可能 ¥2000 店(40,50,60、宝箱 4000 説明 序盤から中盤の店、および宝箱から入手できる武器。 攻撃力7、消費EN2だが同じ戦闘で2回まで使用可能。 残像剣と比べて残像効果は劣るが、2回でも十分優秀。 同じ攻撃力7のカタナと能力が似ているが、アサシンピアスの方が単射の分使い勝手はいい。「カタナより普通にアサシンピアスが好き。」 相性の良い武器 特になし 関連武器 ストライキの剣、ロケットパンチ、雷電の剣、束縛の鎖、帳尻合わせの剣、チャクラム、オメガデバイス、ジェミニ残像効果で2回まで使える武器。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/59267.html
【検索用 はるのおわりに 登録タグ 2012年 UTAU noo は 曲 曲は 虚空/2012~ 雪歌ユフ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:虚空 作曲:虚空 編曲:虚空 マスタリング:noo 唄:雪歌ユフ 曲紹介 私のなかのきみにさえ隠したおはなし、 曲名:『ハルの終わりに』(はるのおわりに) 歌詞 夕の隙間で 背中あわせ 窓際の赤にとけていく なんにも言わない ふたりの世界 夏の匂いも ここには届かない 春の終わりに 隠した言葉を 見つけたはずなのに 夜になってしまう 眠たくなるまえに 痛くなるまえに 言えばよかったのにな もう言えそうにないな 少しずつ溶ける 滲んで混ざってく 真っ黒な言葉は 影になって残る 夜になるまえに いなくなるまえに 聞こえるのもふたつの 吐息と心音 春の終わりに 隠した思い出 胸の傷跡は まだ少し痛むな コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/tamagrail/pages/112.html
◆◇◆◇ きっと手を繋ぐだけで、ゾッとされる。 馬鹿げた競争に一抜けしたら、通報される。 “突然変異”なんかじゃない。 ボクは、ボクでいたいだけ。 朝。鏡の前に立って。 きれいに顔を洗い流して。 ボクは、望むままに自分を彩る。 スキンケア。お肌を整えて、下地のメイク。 ファンデーションに、コンシーラー。 仕上げでしっかりと整えて。 そうしてボクは、変身していく。 なりたい自分を、形作っていく。 ボクの好きなものを、突き詰めて。 お化粧の下に、ありのままの真実を隠す。 ボクにとっての好きなもの。 ボクの世界に色を与えてくれるもの。 好きなファッション、好きなコスメ。 ボクは、何にだってなれる気がしてくる。 自由になって。望む姿になって。 ボクは、ボクらしく在り続けて。 そうすることで、閉ざされた心が解放されていく。 この瞬間、確かにボクは満たされている。 けれど。 そんな自分の奥底を、大切な人達に打ち明けられない。 秘密のクローゼットに、真実を押し隠している。 ―――よく見ないとどっちかわからない。 ―――気付かなくて、びっくりしちゃった。 取り巻くのは、好奇の眼差し。 悩みも、苦しみも。 本当は誰かに、打ち明けたい。 でも。裸の心なんて、見せられない。 剥き出しの想いなんて、言えない。 そうすることで何かが変わってしまうのが。 他の何よりも、怖かったから。 ―――みんなに合わせられないの? ―――普通の格好すればいいのに。 そんな言葉にも、慣れちゃってる。 けれど、いつだって胸の奥へと突き刺さる。 今のままがいい。 みんなと一緒にいたい。 けれど、話せないボクがいる。 何も伝えられない、ボクがいる。 そうすれば、ボク達は永遠になるかもしれないって。 そんな臆病な想いを、抱いてしまった。 何も知られなければ、押し込められない。 常識なんて型に、嵌め込まれない。 “当たり前”や“普通”という色眼鏡で見られることもない。 そうしてボクは、口を噤んで。 掛け替えのない友達、何も伝えない。 みんなを信じたくても、不安と恐怖に足止めされる。 やっと見つけた居場所を喪うかもしれないのが、怖かった。 “話すことで、良くない結末になる”かもしれないから。 だから。 “暁山瑞希”の真実は、未だに秘密のまま。 ボクという人間は、“嘘つき”で出来ている。 睫毛を整えて、目元をなぞって。 淡く薄いリップを塗って。 チークで彩った顔で、ほんの少し微笑む。 よし。大丈夫―――今日もカワイイ。 暗示のように、ボクは唱える。 “変身”したボクの姿を、見つめながら。 ◆◇◆◇ がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 規則正しいリズムで響く音。 窓越しに過ぎていく、真っ暗な景色。 電車の中。端っこの座席。 ボクは、夢うつつにいるように。 ぼんやりとした顔で、寄り掛かるように座っていた。 ふぅ、と息をつく。 バイトが長引いて、諸々の用事も済ませて。 気が付けば、随分と遅い時間になっていた。 冬の只中ということもあって、外はすっかり暗くて。 車内にいる乗客も、いつの間にかボク一人になっていた。 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 ひとりぼっちの帰り道。 誰もいない日常の景色。 まるでボクだけが取り残されたような。 そんなふうに、錯覚してしまう。 気が付けば、こんな日々に放り込まれていた。 今までの現実と、少しも違わなくて。 だけど、何かがおかしくて。 そうしてボクは、あるとき“違和感”に気付いた。 まるで大切な何かを、思い出したかのように。 “セカイ”には、行けなかった。 痛みを背負い続ける、あの娘が作った心の風景。 そこへ赴く術は、失われていた。 いつもと変わらない日常なのに、決定的に欠けたものがある。 だからこそボクは、この夢から醒めた。 偽りの日々に気付いてから、数日。 それでもボクは、ただいつものように過ごすことしか出来ない。 家で過ごして、気ままに外へと出かけて。 バイトにも行ったりして、たまに学校へ行って。 何も変わらぬまま、時だけが過ぎていく。 真実に霧が掛かったまま、ボクは彷徨い続けている。 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 電車は、走り続ける。 闇夜の景色が、過ぎていく。 ぽつぽつと見える外の灯りをよそに。 時間だけが、無為に進んでいく。 ボクを置いていくように。 ――――帰りたい。 そんなことを、ふいに思った。 その想いを抱いた瞬間。 不安と孤独が、胸の内を苛んだ。 一人でいることには、ずっと慣れていたんだけどな。 自嘲するように、ボクは思う。 だけど。今はもう、違う。 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 車輪が回る音。車両の揺れる音。 それに紛れ込むように。 かつ、かつ、かつ―――小気味良い音が、耳に入った。 無骨な鉄の音の狭間で。 気品に溢れる、歩の音が聞こえた。 ボクはふと、視線を動かした。 ―――長い金色の髪の、女の子だった。 白いファーの帽子に、コートを纏っていて。 まるでお姫様のように、風格を感じさせる佇まいで通路を歩き。 やがてボクの眼の前の座席へと、向かい合う形で腰掛けた。 周りに、他の乗客はいない。 ボクと彼女。二人だけで、この空間に居る。 真正面から向き合って、彼女はボクを見つめてくる。 白い肌と、蒼い眼を持つ、綺麗な娘だった。 外国の人かな―――なんて、能天気に考えてしまうボクがいた。 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 鉄と車輪の音が、変わらず響く。 ボクとその娘は、ただ黙って対面し続ける。 沈黙。静寂。 電車の音色だけを背景に。 ボク達は、無言で僅かな時を過ごす。 彼女は、ボクを見つめていた。 小さな顔と、宝石のような瞳で。 ボクの姿を、静かに捉えていた。 思わず、覗き込まれるような感覚を覚えて。 照れ臭さのような、気まずさのような。 そんな複雑な気持ちを抱いてしまうけれど。 やがて、彼女は。 その端正な顔を緩ませて。 向き合うボクへと、静かに微笑んできた。 「ごきげんよう」 その娘と向き合って。 その娘に呼びかけられて。 「そして、“初めまして”」 その一言を、掛けられて。 ボクは、何かを悟ったように。 何とも言えぬ微笑と共に、応える。 「……うん。はじめまして」 ◆ いつか見た夢。 遠い西洋の国。 時計塔を中心に広がる市街地。 あちこちから立ち込める蒸気。 そんな舞台を背景に。 月夜を飛翔する、一つの影が在った。 黒い帽子。黒いマント。 まるで怪盗のような姿で、“彼女”は往く。 重力というものに、囚われることなく。 街の上を、縦横無尽に跳躍する。 飛ぶ。跳ぶ。翔ぶ――――。 ああ、この娘は。 果てしない壁さえも飛び越えて。 月の彼方まで行けちゃいそうだ。 霧と煙の夜を舞う、その姿を見つめて。 ボクは、そんなことを思っていた。 ◆ 目の前の“その娘”と対面して。 脳裏に、情報が流れ込む。 知りもしなかった、この世界のシステム。 まるで漫画かアニメのような。 とても現実とは思えない、ファンタジーな物語が。 ボクの記憶の中に、確かな実感を伴って刻み込まれていく。 ――――聖杯戦争。 ――――古今東西の英雄、サーヴァント。 ――――彼らを従えるマスター。 ――――たった一組の勝者を選定する戦い。 ――――その果てに得られる、奇跡の願望器。 ひどく現実味に乏しい話なのに。 夢でも見ているんじゃないかと錯覚しそうなのに。 けれど、ボクはただ、それを信じるしかなかった。 大切な人達と分かたれた世界で、ボクは目の前の現実を受け入れる他なかった。 ああ、そうだ。 ボクは既に“未知”を見ている。 “誰かの想いによって形作られたセカイ”。 そんなものに触れていたからこそ。 空想のような真実を、捉えられた。 「アサシン……で、いいのかな」 「ええ。宜しく、マスター」 だから、ボクは目の前の女の子―――アサシンに問いかける。 アサシンはすぐに頷いて、淑やかに微笑みを見せた。 ステータスとか、そういうものは一切見えないけど。 ボクと彼女の間に魔力ってものの繋がりがあるらしくて、そのおかげで“クラス”を直感で知ることが出来た。 「なんか……凄いね、こういうのって」 「そうね。私も、最初は驚かされたわ」 「奇跡なんだね、ホントに」 「ええ、正真正銘の願望器。手に入れれば、どんな祈りも叶う」 ふたりきりの車内。 取留めもなく、言葉を交わし合う。 お互いに現実味がないような様子で。 ボク達は二人で、緩やかな時間を過ごす。 「すごいなぁ、何だか……」 そうしてボクは、ぼんやりと呟く。 思いもよらない現実を前にして、呆然とする。 誰かの“想い”を具現化する―――そんな力は、確かに知っている。 バーチャル・シンガーの力によって齎されるセカイ。 それぞれの歌に触れた人間が形作る、心の風景。 ボクはそれを知っている。 だからこそ、どんな祈りでも叶う奇跡を。 ぼんやりとだけど、受け入れられたのかもしれない。 「ねえ、マスター」 がたん、ごとん―――。 がたん、ごとん―――。 物思いに耽るボクに向かって。 彼女は、静かに呼びかけてくる。 「あなたは、“奇跡”に――――」 がたん、ごとん―――。 がたん、ごとん―――。 向かい合うボクと彼女。 電車が、揺れる。 景色が、夜が、動く。 そして。 「――――何を望むの?」 ほんの一瞬。 視線を逸して。 また目の前を視た直後。 ボクは、目を丸くした。 先程までの“少女”の姿は、何処にもなく。 まるで入れ替わるように、“彼女”は眼前に座っていた。 銀色の髪。真っ黒な外套。 何処かスパイを思わせる衣服だったけれど。 フリルのついたスカートが、ドレスみたいに対照的で。 そして、“彼女”の顔は。 先程までの“少女”と、瓜二つだった。 ◆ 私達が、離れるなら。 私達が、迷うなら。 その度に、何回でも繋がれるように。 それが、“彼女”と“王女”の絆。 そして、“白い鳩達”の契り。 壁によって遮られ。 それでもなお貫かれた、二人の友情。 全てを欺く、鏡合わせの愛。 少女の“嘘”は、世界を変える。 想いを隔てる、壁さえも乗り越えて。 ◆ 「凄いね……一瞬で“変身”しちゃった」 「ええ、“黒蜥蜴星人”の特殊技能よ」 クロトカゲ―――何だって? 妙な単語に、思わず聞き返しそうになったけれど。 真顔でそんなことを言ってきた“彼女”に対し、問い詰めるのも気が引けてしまった。 出で立ちは違くても、顔はそっくりなのに。 けれど、身にまとう雰囲気は全く異なっている。 まるで、何ていうか―――もっと“只者じゃない”みたいな。 そんな張り詰めた空気が、漂っていた。 それだけじゃなくて。 すぐ目の前に姿があるのに。 実態が無いかのように、気配が朧気で。 まるで幻影でも目の当たりにしているかのような感覚に、内心面食らってしまう。 彼女は、ボクをじっと見つめている。 ボクの答えを、待つように。 ――――あなたは聖杯に、何を望むの? その問いは、未だ続いている。 それを察したボクは、少しだけ考え込んで。 やがて、“彼女”の目を見据えて答えた。 「……何も望まないよ。ただ、帰りたい」 ボクは、きっぱりと答えた。 きっと、奇跡の力があれば。 どんな悩みだって、振り払えるんだと思う。 ありのままの姿を打ち明けられない、臆病な自分。 社会と自分のギャップに、延々と苛まれる自分。 願望器があれば、そんなものも容易く乗り越えられるのかもしれない。 「ボクのこと、いつまでも待ってくれるって。 そう約束してくれた“友達”がいるから」 だけど、それでも。 ボクには大切な“居場所”があるから。 待ってくれる“友達”がいるから。 それ以上のことは、望まない。 ―――いつか話してもいいって思ったら、話して。 ―――それまで私、待ってるから。 ―――話せる時が来るまで、ずっと一緒にいる。 嘘つきで、臆病なボクに。 “あの娘”は、そう言ってくれた。 無理に言わなくてもいい。 それでも、友達だから力になりたい。 いつか話してくれる時まで。 ずっと傍に居たい。 そう伝えてくれたことが、嬉しくて。 少しでも前に進んでいきたいと、思えるようになって。 だからこそ、ボクの望みがあるとすれば。 それはただ、“元の世界に帰りたい”という一点だけだった。 だって―――大切な友達が、ずっと待っててくれているのだから。 皆が作ってくれた居場所に、ボクは戻りたかった。 そんなボクの想いを聞き届けて。 アサシンは、静かに目を閉じていた。 何かの思いに耽っているかのように。 過去を振り返って、懐かしむかのように。 「いい友達ね」 そして彼女は、瞼を開いて。 微かに笑みを浮かべた。 そんなアサシンの姿に、ボクは仄かな安心を覚えた。 その優しげな微笑みを見て。 彼女の心に、少し触れられた気がしたから。 「今は、まだ……難しいけれど」 だからこそ、ボクはぽつぽつと語る。 胸の内の想いを、静かに紡ぐ。 「いつか、越えなきゃって思ってるんだ。 友達にもまだ打ち明けられてない、本当の自分のことを」 ボクは、まだ決心が付いていない。 不安と拒絶。喪失への恐怖。 真実を伝えることで、ささやかな幸せが壊れてしまうかもしれない。 そうして足踏みを続けて、前へと進むことができなくて。 だけど、ボクの“友達”は。 いつまでも待ってくれると、そう言ってくれた。 だからこそ、思う。 もしも、ほんの少し。 ほんのささやかにでも。 踏み出す勇気を掴めたのなら。 その時は、越えたい。 「――――“嘘つき”な、ボクの壁を」 ボクを堰き止める。 とても大きな、心の壁を。 ◆ 「空」 「え?」 「翔びたいと思ったこと、ある?」 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 音が、流れていく。 景色が、流れていく。 深い夜に、揺られて。 「……うん。自由に、ありのままに」 「そう。なら、連れて行ってあげる」 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 過ぎゆく世界の中で。 彼女は、そんな約束をしてくれた。 ボクの瞳を、まっすぐに見つめて。 ◆ がたん、ごとん。 がたん、ごとん―――。 「駅、着いたみたい」 それからボクは、再び瞬きをした。 瞼を閉じた、ほんの刹那の合間に。 眼の前にいた黒衣の少女は、再び金髪の“お姫様”へと戻っていた。 彼女は何事もなかったかのように、優しく微笑んで。 座席から立ち上がってから、ボクに手を差し出した。 「行きましょう。マスター」 その言葉に誘われるがままに。 ボクは頷いて、彼女の手を取った。 そうして、ゆっくりと身を起こしてから。 仄かな明かりの灯る駅のホームへと、二人で降り立つ。 そうしてボク達はゆっくりと、静寂の中へと溶け込んでいった。 ◆◇◆◇ 少女“アンジェ”は、スパイだった。 東西に二分された英国を変えるべく。 自らの願いの全てを背負わせてしまった“親友”を救うべく。 彼女は、影の戦いへと身を投じていた。 その狭間で、思い出す。 白鳩の名を冠した、仲間達のことを。 たった一人で戦っているつもりだった。 それでも、“親友”は“王女”としての決意を固めて。 そして皆もまた、各々の“想い”を背負って奔り続けていた。 生前の記憶は、途切れている。 女王暗殺計画を妨げ、“王女”と共に飛び去った瞬間を境にして、霧が掛かっている。 サーヴァントとして召喚された際に、何かしらの影響が出たのかもしれない。 それでも“生前にきっと後悔はなかった”と、アンジェは直感する。 何かの納得を得て。何かの答えを掴んで。 そんな結末を迎えたことを、彼女は理解していた。 だからこそ―――彼女は内心で謝罪した。 ごめんなさい、また一人で無茶をすることになる。 親友や仲間達に、そう告げる。 聖杯。あらゆる奇跡を齎す願望器。 この世の理さえも塗り替える、絶対的な力。 それがあれば。そんなものが、あるならば。 きっと、私達のような人間は生まれなくなるのだろうと。 アンジェは、そう思ってしまった。 差別。貧困。分断。戦争―――人々は“壁”によって遮られ、苦しめられる。 “王女”は、そんな英国を変えたいと誓った。 善き世界が訪れることを、望んでいた。 ああ。 ならば、私もまた。 奇跡を、求めたい。 願望器が紛れもない真実だというのなら。 私は、それを掴み取りたい。 英国だけじゃない。 この世界のあらゆる“壁”を壊して。 片隅で喘ぐ人達に、少しでも善い世界を齎したい。 貧しき人々にも、虐げられる人々にも、安寧があってほしい。 そして、二度と想いが遮られることのない未来を作りたい。 そんな無垢で、子供のような願いを抱いてしまった。 だからこそ、アンジェは聖杯戦争へと召喚され。 そして、暁山瑞希と出会った。 ――――いつか、越えなきゃって思ってるんだ。 ――――“嘘つき”な、ボクの壁を。 瑞希の言葉を思い出して。 アンジェは、微かに微笑んだ。 何かを背負っているのは、お互い様らしかった。 “嘘”への負い目を抱えながら生きて。 それでも待ってくれる“友達”を想っている。 そんな瑞希の姿を、どこか懐かしく感じて。 だからこそ、少し肩入れしたくなってしまった。 瑞希が翔びたいと願うのなら。 その壁を超えられるために、支えたかった。 アンジェ・ル・カレ。 かつてのプリンセス・シャーロット。 彼女は、誓う。壁を越えることを。 己の願いと、マスターの想いを果たすべく。 さあ――――翔ぼう、白い鳩のように。 ◆◇◆◇ 【クラス】 アサシン 【真名】 アンジェ・ル・カレ@プリンセス・プリンシパル 【属性】 中立・中庸 【パラメーター】 筋力:D 耐久:D 敏捷:B 魔力:E 幸運:C 宝具:C+ 【クラススキル】 気配遮断:A 自身の気配を消す能力。隠密行動の技能。 完全に気配を断てば発見はほぼ不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 専科百般:A スパイとして体得した多数の専門技能。 戦術・学術・隠密術・暗殺術・詐術・変装術など、工作活動におけるスキルをBランク以上の習熟度を発揮できる。 心眼(真):B 訓練と実戦によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦術論理”。 跳躍:B 宝具『Cavorite Moon』発動時にのみ効果を発揮するスキル。 三次元機動を行う際、敏捷値にプラス補正が掛かる。 また敵への接近、攻撃の回避、戦線離脱と言った敏捷値が関わる行動においても優位な判定が得られる。 鹵獲:B 自身が調達した物資・装備に低ランクの神秘を付与させることが出来る。 対サーヴァント戦において通用する武装の現地調達が可能となる。 神秘を帯びた装備は他者への譲渡も可能だが、アサシンが魔力パスを切断することでいつでも効果は解除される。 なお一度神秘を付与した物資は、宝具『Princess Principal』で“変身”してる最中にも効果が維持される。 【宝具】 『Cavorite Moon』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1\~2 最大捕捉:5 空間・物質の重力を遮断する動力源「ケイバーライト」。 それを個人携行型の球状移動装置へと落とし込んだ「Cボール」が宝具化したもの。 レンジ内の重力へと干渉し、アサシンの肉体を無重力化させることで変幻自在の三次元機動を行う。 アサシンの操作によって自在に無重力状態が制御される他、他の物質を無重力化させることで攻撃や妨害を行うことも出来る。 『Princess Principal』 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 瓜二つの顔を持つ“王女”への変装。そして“真実の姿”への回帰。 アルビオン王国の王女と入れ替わる極秘任務「チェンジリング作戦」が宝具化したもの。 サーヴァント『プリンセス・シャーロット』へと変身する。 宝具の領域へと到達したことで、“変装”ではなく“変身”と化している。 発動と解除はアサシンの意思で自在に可能。なお肉体や霊基は完全にプリンセスと同一のものになるが、人格や記憶はあくまでアンジェのままである。 宝具発動中は以下のステータスに切り替わる。 《パラメーター》 筋力 E 耐久:E 敏捷:D 魔力:E 幸運:A 宝具:- 《クラススキル》 気配遮断:D 自身の気配を悟られにくくする。 最低限の隠密行動は出来る。 《保有スキル》 カリスマ:C+ 大衆の上に立つ天性の才能。 集団の士気を向上させる他、他者との駆け引きや交渉で優位な立場を引き出しやすくなる。 政治的バックを持たず、王位継承権からは遠い立場にある王女だったが、それでも人々を惹き付ける十分な才覚を備えていた。 鋼鉄の王冠:B+ 王族としての器量と覚悟。 自身に対する精神干渉の効果を大きく軽減する。 また窮地においても冷静に状況を見極め、確固たる意志を持って判断を下すことが出来る。 掩蔽の姫君:A 始まりは貧民。やがて王女と化し、そして内通者となった。 自らの真実の姿を隠しながら大衆の前に立ち続けた逸話の具現。 サーヴァントとしてのステータスを視認されず、魔力の気配も一切感知されない。 専科百般:E スパイとして体得した多数の専門技能。 学術・詐術・話術・変装術など、工作活動におけるスキルをある程度発揮できる。 アンジェと霊基を共有していることに伴い、劣化した状態でスキルが引き継がれている。 【Weapon】 オートマチック式リボルバーを携行。 遠距離にワイヤーを射出するワイヤーガンなども装備。 【人物背景】 壁によって東西に二分された19世紀英国。 その西側、アルビオン共和国に所属するスパイの少女。 東側の王女であるプリンセス・シャーロットと瓜二つの風貌を持っている。 その容姿を活かした「チェンジリング作戦」を立案し、名門校クイーンズ・メイフェア校の生徒として東側のアルビオン王国へと潜り込む。 アンジェとプリンセス。二人には、ある秘密があった。 サーヴァントとして召喚されたアンジェは英霊として限定的な再現に留まっており、TV版最終話以降の記憶を持たない。 【サーヴァントとしての願い】 差別。貧困。分断。戦争。 人々を隔てる“壁”を壊して、少しでも善い世界を齎したい。 【マスター】 暁山 瑞希@プロジェクトセカイ 【マスターとしての願い】 みんなとの時間が、1秒でも長く続いてほしい。 そして、いつか壁を乗り越えたい。 そのためにも、生きて帰る。 【能力・技能】 音楽サークル内では動画制作を担当。 コラージュや洋服のアレンジなども得意。 【人物背景】 ネットで活動する音楽サークル「25時、ナイトコードで。」のMV担当。 可愛いものが大好きな気分屋。 たまたま聴いた宵崎奏の曲に惹かれるものを感じ、MVを作って投稿する。 それが奏自身の目に留まり、動画担当として誘われた。 サークルメンバーの誰も知らない秘密がある。 参戦時期はイベント「ボクのあしあと キミのゆくさき」以降。 【方針】 生きて帰る。
https://w.atwiki.jp/ljksscenario/pages/196.html
○月××日。 患者が一人、緊急搬送されてきました。 左腕及び左肩から首にかけてが欠損しており、猛獣に喰われたかのような傷痕でした。 即座に叩き起こされたドクターが処置をするが、処置も虚しく死亡。 何らかの事件性あり。 同月○×日。 失神し泡を吹いていた男性が緊急搬送。 顎を砕かれていたようで、命に別状はなかったが処置を施し入院。 経過観察に訪れ、その後の体調にて数回質問したところ「俺ももうすぐ殺される」「アイツが負けるからこんな目に」と譫言のように繰り返しており、自傷行為及び暴力行為に走るようになりました。 重度のショック状態にある可能性が考えられます。 メンタルケア専門のスタッフは慎重に対処にあたり、他スタッフが彼に接する場合はドクターの許可を得るか、メンタルケアスタッフ最低一人の同伴を原則とします。 同月×○日 完全に自我を喪失した女性が搬送されました。 何を話しかけても壁や天井を見るだけで、こちらの言葉には一切の反応を示しません。 手の甲に奇妙な痣を発見しましたが、それ以外傷は存在しませんでした。 「この痣は何か」と問うと、酷く錯乱し窓から飛び降りようとするなどの自殺行為に走ります。 よって、今後彼女に「痣に関する質問」をすることは許可されていません。 現在、彼女は強化ガラスと強固な鍵で窓を閉じた病室に収容されています。 彼女は現在、この病室から出ることを禁じられています。 収容から二日後、彼女の処置のため近づいたスタッフが痣が消えていることを確認しました。 原因は不明。 カタリ、とキーボードを叩く音がする。 凝った肩をぐるりと回し筋肉を解す。 肩凝りは現代に生きる者として切っても切れない面倒事の一つだ。 しかし毎度のように深夜まで患者の資料を纏めているここ最近は、面倒事というよりもはや難病と称した方が正しいぐらいには悪化している。 難病を一瞬で解決する万能薬でもあればいいのに、と思うが残念ながら医学はそれほど便利ではない。 ドクターの仕事がここまで身体を酷使するものだとは思っていなかった。 最近は患者も激増し、奇妙な症状も多い。 変な事件でも起こっているのかと勘繰ることもあるが、所詮妄想。 起こっていたとしても自分にどうこうする力はないし、するつもりもない。 願うことならば、巻き込まれないことを祈るのみだが―――。 「もうこんな時間」 肩凝りの軽減に背筋を伸ばすと、ふと時計が視界に入った。 時刻は23時を過ぎている。 東京ともなればまだまだ深夜と呼ぶには早い時間だが、暗くなって帰宅するのも中々辛いものがある。 「…帰ろうか」 途中まで纏めた資料を保存し、己の仕事机を後にする。 そそくさと出口に向かう。 己の仕事場とはいえ夜の病院はまだ馴れない。振り向けば何か"出る"のではないかと怯えてしまう。 出口には、警備員が立っていた。 無言のまま通り抜けるのも失礼だろうか、と思い一礼。 「ああ、今帰りかい?」 「ええ。ちょっと遅くなってしまいました」 たわいもない会話を済ませ、警備員に背を向ける。 ああ、この時間だと何時の電車になるだろうか。 「そうかい。最近物騒だからね―――帰り道には気をつけなよ、アンジェラ先生」 背後の警備員の言葉に笑顔で対応しながら、その場を去った。 ○ ○ ○ 予兆も兆候もなしに。 唐突に、ソレは訪れた。 ぴちゃり―――聞き慣れた、滴る血液の音。 ぐちゃり―――嫌というほど聞いた、肉が引き裂かれる音。 ゾブリ―――初めて聞いた、肉に牙が刺し込まれる音。 「え」 いつもの帰り道。何の変哲のない帰路。 日常の一風景に、非日常は現れた。 獅子の頭。山羊の胴体。蛇の尾。それぞれを合わせた三つの頭。 本来ならば同居することのない三つの身体が融合し、存在することのないモノを造り上げている。 ―――『キマイラ』。通称キメラとも呼ばれる、ギリシア神話の怪物である。 獅子の頭はヒトらしき腕を食い千切り食道に押し込んでいる。 山羊の頭はこびり付いた血液を落とすためか左右に頭を振っている。 蛇の頭はヒトらしき頭部を食い破、その中身を啜っている。 一体、どれだけの人間が犠牲になったのだろう。 雨が降り注いだあとのような規模の血溜まりは、流れ出し排水溝に吸い込まれていく。 細かく散った肉片はもはや『ヒトだったもの』なのかどうかさえわからないほど、醜い。 余りにも多く散ったソレは、元のヒトがどれだけの人数だったのかさえわからない。 何せ、原型を保っている頭部さえ見当たらないのだ。 ソレを目の当たりのした女性―――アンジェラは即座に引き返そうとするが、脚が脳の指令を受け付けない。 恐怖もある。人間として、生理的な嫌悪感もある。 それらが吐き気として食道を迫り上がる。 だが、原因は違う。 彼女が脚を止めている理由は、この惨劇による恐怖ではない。 知っている。 この惨劇を、彼女の脳は知っている。 『■はお■たちに寛■■接して■た』 ?がれた四肢。潰された頭部。 向けられた銃口ごと人体を潰す、暴力の権化。 『■を■れ以上怒■■るつもりなら』 ああ、恐ろしい。 思い出したくもない記憶が、彼女の脳裏に蘇る。 憎悪。暴威。暴怒。その、根源。 あの化け物は、四肢を捥ぐといった。 あの化け物は、あらゆる方法を探し出し殺すと。 ああ、蘇る。 一番忘れていたかった、死に対する絶対的な恐怖を。 『私の話が分かったか、アンジェラ―――?』 記憶が戻ってくる。 SCP財団。アンジェラ・ラングレー博士。アベル。 失われていた記憶が脳髄に帰還する。 なぜ失われていたのかは分からない。財団に記憶処理でも施されたか。 右手の甲に痛みと共に痣が浮き上がっていたが、眼中にない。 記憶の混乱。己が何故医師として生きているのか。財団はどうなったのか。 そして、目の前のキメラは、SCPなのか。 だとしたら、財団は何故収容に訪れないのか。 疑問と不安が頭の中で渦を巻く。 (でも、まずは、気付かれていない内ににげないと) 元来、彼女は度胸のある人間ではない。 声は小さく、ネズミに似たと形容されるほど弱弱しい。 だからこそ。 目の前に迫った脅威に、冷静に逃走することができなかった。 カツン、と音がした。 思わず己の足下を見る。 喰われたヒトの所有物だろうか―――血液と肉片に塗れた、タブレットが落ちていた。 蹴った。足が当たった。あまりの緊張で、足元を見ていなかった。 恐る恐る顔を上げる。 大丈夫だ。先程までキメラは食事に夢中になっていた。 大丈夫だ。先程までキメラは此方を見てすらいなかった。 大丈夫だ。だって、こんなに小さな物音だもの、気付かれるはずが――― 「―――あ」 鎌首を擡げた、蛇と。 目が、合ってしまった。 思考が停止した。あらゆる思考が彼女から消失する。 または。 現実を受けいれられなかった彼女の精神が、目の前の事象を拒絶していた。 蛇の頭が、疾駆する。 獅子の尾として、蛇の頭としてその長い身体をくねらせ牙を出す。 首を獲らんと迫るソレに、アンジェラは抵抗することすらできない。 アンジェラは、博士だ。技術職であり、戦士ではない。 むしろ、戦闘能力なら財団の兵士より格段に落ちる。 だからこそ―――アンジェラは目を閉じることしか出来なかった。 弱者なりの、抵抗。 少しでも残酷な世界を見ないように、目を瞑ることしかできなかった。 そして、目を閉じた彼女の首に蛇の牙が食い込み――― 「GIYAAAAAAAAAAAAAAAAッ!!!!」 蛇の、頭が落ちた。 頭を失った蛇、及び尾を失った獅子は激痛でのた打ち回る。 当たり前だ。キメラからすれば、三つある頭の一つが落とされたのだ。 尾とはいえ、その激痛と損害は計り知れない。 そして。 「おや。頭が三つあるというのに、よく周りが見えていないようだ」 男の、声が聞こえた。 恐る恐る、目を開く。 ひらりと風に舞う、赤のカンフー服。 しなやかに伸びたおさげが優雅にたなびく。 拳法家。脳裏に浮かんだのは、そんなイメージだった。 「宝の持ち腐れならぬ…頭の持ち腐れ、といったところですかね」 「あ、あなた、は」 「…?ああ、貴方がマスターですか?名乗り遅れました。 サーヴァント、アサシン、真名を『風』。気軽にアサシン、と呼んでください」 男…アサシンは、血溜まりの中で不釣合いなどの柔和な笑みを浮かべる。 アンジェラは何も返すことはできなかった。 ただただ、現状の把握のみに努め―――それすらできない現状に、再び頭を抱えた。 「まずはこの獣を仕留めてから、ですね。 …複数の獣の合成とは趣味の悪い。ヴェルデですらこのような悪趣味なものは作らないでしょうに」 そしてアサシンは哀れむように目を細め、ポツリ、と零す。 「…貴方達も被害者なのでしょう。残念ですが―――此処は、遠慮なしに、圧倒します」 ○ ○ ○ それからの決着は一瞬だった。 秒すらかからないスピードで山羊の頭を足刀で落とし、獅子の頭を締め上げる。 三秒にも満たぬ戦闘。 その後、 『恐らく、キャスタークラスの置き土産でしょう。敗退したがこのキメラだけ運良く逃げ切れたのか、それとも元より放し飼いだったのか。 主を失い枯渇した魔力を補給するため人を喰っていたようですが――どちらにしろ、私が手を下さずとも消えていたでしょう』 と何やら語り聞かせてくれたが、何一つ理解できなかったのでこの話は置いておくことにした。 そして、現在。 血溜まりの中ではまた面倒事に巻き込まれる、と移動を促したアサシンと共に逃げた私は―――現在、喫茶店にいる。 「…貴方は何者なの?あ、私はコーヒーお願い」 「ですから、サーヴァントアサシンと。貴方も聖杯を望むマスターでしょう?あ、私はおかまいなく」 「…聖杯?」 「…知らないのですか?」 注文を済ませながら会話を進めるが、どうも要領を得ない。 致命的な認識の差が生まれているような、モヤモヤした感覚が残る。 「財団の人間ではないの…?SCP収容の特別部隊の人間とか…私の護衛を任された部隊の者とか」 SCP財団の博士は、貴重である。 Dクラス職員程度なら掃いて捨てるほど存在するが、博士という職につく人間は有限だ。 それをこのような危険な場所に、死地に一人で送るような自殺行為はしまい…だからこそ、このアサシンは護衛の人間なのではないかと推測した。 だとしたら、今の今まで記憶を失いドクターとして働いていたのも、先程のキメラも何らかのSCPの影響かもしれない。 淡い期待を胸に、小さい声で問いかけた。 すると、アサシンは少し考える素振りをみせると――― 「そうですね。貴女の言う通り、財団の人間です。部隊名『アルコバレーノ』。貴方の護衛、及び外敵の駆除にやって参りました」 と。 考えうる限り、最良の答えが返って来た。 「…ほ、本当なの?」 「ええ。貴女の味方ですよ。私が命じられているのは貴女の護衛。 やむを得ず戦闘になる場合まありますが、その時は任せてください」 ニコリと笑うその顔に、肩の力が抜ける。 それと同時に、ドッと疲れが溢れ出た。 相当精神に堪えたのだろうか。我ながらなさけないと思うが、こればかりは仕方ないと思う。 ああ、本当。 世の中は恐ろしいことばかりだ、と。 抜けた腰は、しばらく戻らなかった。 ○ ○ ○ 「はて。どうしたものか、ですね」 己がマスター、アンジェラ・ラングレーを自宅に送り届けた後。 アサシン『風』は、一人その屋上にて佇んでいた。 (どうやら、此度のマスターは聖杯戦争について何の知識も持っていないらしい。 これが全てのマスターに当て嵌まるものなのか、それとも私のマスターにだけ当て嵌まるものかはわかりませんが) 冷たい夜風が頬を撫でる。 こうしていると、昔の仲間を思い出して少し頬が緩むが、生憎そんなことをしている場合ではない。 赤ん坊の頃が懐かしい―――この大きな大人の身体が一番だが、あの頃の身体も懐かしい。 聖杯戦争。サーヴァント。魔術に心得のない人間に教えたとしても返って混乱を増すだけだ。 故に、その場で話を合わせてしまった。 部隊名も財団から派遣されたというのも、すべて嘘っぱちである。 (騎士などではないことが救いですかね。上手く話をつければ戦闘になってもこのまま押し通せる…は希望的観測過ぎますね。 そも、何故私がアサシンに…確かにヴァリアーのアジトに忍び込んだというか、鉢合わせたことはありましたけど) 潜入したことは数あれどアサシンにおいてはリボーンの方が上でしょうに、と続ける。 かといって戦闘では負ける気はないが。 アサシンに、聖杯にかける願いはない。 彼が願うのは、聖杯戦争という異境の地で拳で語り合い、猛者達と覇を競い合うこと。 謂わば聖杯などその副産物であり、彼が望むのは聖杯という『結果』ではなくその戦争という『過程』である。 だからこそ、結果としては聖杯が手に入らずとも構わないのだが、マスターがああでは先は不安だらけだ。 「さて、どうしましょうかね―――」 夜風を浴びて、無敵の武闘家と呼ばれた彼は、一人呟く。 その顔に影はない。 困難とは、あればあるだけ面白いものだ。 さて、この局面どう攻略したものか。 【マスター】 アンジェラ・ラングレー@SCP Foundation 【マスターとしての願い】 聖杯の説明を受けていないため、まだなし。 とりあえず記憶を失っていた原因がSCPによるものなのかどうか調べる。 【weapon】 特に無し。 【能力・技能】 特に無し。 【人物背景】 SCP財団所属の博士。 20代半の女性。 ふちの薄い四角いメガネでほとんど隠れた目に肩までのライトブラウンの豊かな巻き毛が特徴。 SCP財団は「SCP」と呼ばれる奇妙な物、現象、生物、場所そのもの等のSecure(確保)、Contain(収容)、Protect(保護)を目的として活動している。 割と他の博士よりかは常識人である。 今回の場では医者としての役割を与えられていた。 記憶を取り戻した後は、「財団による記憶処理をしなければいけない状況に陥ったのか」「それとも何らかのSCPの影響か」とも考えている。 聖杯戦争のルールどころか聖杯戦争自体をを理解しておらず、アサシンを今のところ自分の警護にやってきた特殊舞台程度にしか考えていない。 【方針】 記憶の一時的な喪失の理由を調べる。 SCPが原因なら…どうすべきだろうか。 聖杯戦争については一切理解していない。 【CLASS】 アサシン 【真名】 風(フォン)@家庭教師ヒットマンREBORN! 【パラメーター】 筋力C 耐久B 敏捷A 魔力E 幸運D 宝具C 【属性】 中立・中庸 【クラススキル】 気配遮断 C 「暗殺者」のクラス特性。 自身の気配を消す能力。完全に気配を断てばほぼ発見は不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 天性の肉体(偽):B 生まれながらに完璧な肉体を持っていた訳ではない。 度重なる修行と武練により手に入れた完璧なる肉体。 武闘の一 A+ 己の身体の全て制御下に置く、卓越した身のこなし。 ミクロン単位での精密動作を可能とする。 精神さえも己の制御下に置いているため、精神干渉の類いを無効化する。 心眼(偽) A 修行・鍛錬によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す戦闘論理。 呪われた赤ん坊 EX 選ばれし七人とも呼ばれる。 各分野にて卓越した技術を持った七人へとかけられた呪い。 今回はアサシンとしてのクラスで召喚されたため機能していない。 ティーチャー(教師)のクラスで呼ばれた場合、赤ん坊の姿で呼ばれ、指導に特化したサーヴァントとなる。 【宝具】 『爆炼疾风拳』(ばくれんしっぷうけん) ランク:C 種別:対人宝具 レンジ: - 最大補足:- 無敵の武闘家と呼ばれたその技術、その真髄。 研ぎ澄まされミクロン単位にまで正確に駆動する彼の肉体は、正確に狙った部位を破壊する。 また嵐属性の炎―――『分解』を司る炎を纏わせることにより、打撃は正確に撃ち込んだ場所に分解の追加効果を与える。 『龍焔舞蹈』(ばくりゅうえんぶ) ランク C 種別 対軍宝具 レンジ 30~40 最大補足 40 極限にまで研ぎ澄まされた拳法技術と嵐属性の炎が龍の形を為す。 あらゆるものを分解する龍の一撃。 その上、肉体と同じく精密な動作を可能とし肉体を傷つけず腕時計のみを破壊するといったことも可能。 対軍宝具であり分解能力を持つ嵐属性の炎のため攻撃力に特化した宝具であるが、風はスキル『武闘の一』により発動前及び後の隙を一切なくし次の行動に移ることができる。 【wepon】 なし。 強いて言えば肉体であり、作り上げた107の拳法である。 【人物背景】 武道の達人であり、無敵の武闘家と謳われた男。 107の拳法を生み出し、その時代の武闘家の中で随一の実力を持つ。 性格は武闘家らしく心身共に清らかで物腰は柔らかく、礼儀、言葉遣い共に良い。 弟子を導くことを楽しむ師匠としての一面も持つ。 呪われた赤ん坊(アルコバレーノ)として赤ん坊にされた経験を持つが、今回はアサシンとして召喚されたため全盛期、つまり青年期で呼ばれている。 また、暗殺者の格としては「CHAOS」が口癖のヒットマンより劣るが、こと戦闘では同等かそれ以上の拳法家である。 ティーチャー(教師)のクラスで呼ばれた場合、赤ん坊状態での召喚となる。 【サーヴァントとしての願い】 一人の武闘家として、拳と拳・武器で語り合うことが望み。 よって過程こそが目的であり聖杯には何の興味もなかったが―――? 候補作投下順 Back ルーラー/セフィリア=アークス Next 上田次郎&セイヴァー